溺愛予告~御曹司の告白躱します~

「あ、戻ってきた」
「え!?あ、やば…」

急に慌てだした元カノは、「お互い会いたくはないし。余計なこと言わないでよね!」と早口で告げると、足早に去っていった。

私にはあれこれ言いたい放題だったのに、蓮には顔すら見せないのか。

捨てられたなんて思って引き摺ってるんなら、私に向けた感情の半分でもぶつければいいのに。失礼ながら、立つ鳥跡を濁さずってタイプでもなさそうだし。

なんか…悪い人じゃないんだろうけど、強烈な人だったな。別に実害があったわけじゃないからいいんだけど。

どっと疲れが押し寄せてきて、思わずため息が漏れたところで蓮が席に戻ってきた。

「お待たせ」
「おかえり。ありがと」
「なんか、誰かと話してた?」

買ってきてくれたドリンクの乗っているトレイをテーブルに置きながら蓮が訊ねてきた。

きっと遠くからでも私と彼女の姿が見えたんだろうけど、さすがに自分の学生時代の元カノだとは思わないか。

ホットココアを受け取りながら、正面に座った蓮をじっと見つめる。

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