純潔花嫁―無垢な新妻は冷徹社長に一生分の愛を刻まれる―

 睡の言葉に、時雨も少々呆れ気味の笑みをこぼす。


「そんなのはなんの確証もない迷信だぞ。まあ、可能性はあるが」


 彼は上体を屈めて睡の手に指を絡め、情熱を帯びた瞳で見つめる。


「この戯れで子を孕んだとしても心配するな。もうひとりじゃないんだ。俺が君たちを守るから」


 頼もしい言葉をもらえて、睡の胸は熱くなり、視界がぼやけた。

 もしも彼との子供を授かったら、今よりもっと幸せになるのだろうか。そんな素晴らしい未来が訪れてほしいが、幸せすぎて怖くもなる。きっと満たされることに慣れていないせいだ。

 漠然とした不安がくすぶる心情を見透かしているかのごとく、時雨は唇を寄せて優しく微笑む。


「なにも怖くない。今は俺だけを感じていろ」


 甘美な口づけと共に、まるでまじないのような言葉が睡の心に浸透して、不安は徐々に薄れていく。

 再び腰を揺さぶられ始めると、治まったかと思ったあの感覚が波のように迫ってくる。今度はもう逃げられず、睡はひと際甘く切ない声を上げて背中をのけ反らせた。

 あとを追うように時雨も限界を迎え、抑えきれない愛を放った。

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