純潔花嫁―無垢な新妻は冷徹社長に一生分の愛を刻まれる―
失敗しただろうかと内心焦るも、瑛一は前を向いたまましっかりと答える。
「迎えにいくよ。なるべく早く」
期待した以上の答えが聞けて、一瞬目を丸くした睡は次第に口元が緩んだ。
(四片……よかったね。瑛一さんはちゃんとふたりの未来を考えているよ)
彼女の想いが一方通行ではなくて本当になによりだと、胸を撫で下ろす。瑛一が玉響を愛していたなら次の恋に進めないのではないかと懸念したが、心の整理はついているようだ。
睡はその場に立ち上がり、瑛一に向かって深く頭を下げる。
「どうか四片を幸せにしてあげてください。大切な人が絶望する姿は、もう二度と見たくないから」
愛する人と一緒になれなくて命を投げ出すような悲惨な事態は、四片の身には絶対に起きないでほしい。
そんな思いを込めて頭を垂れていた睡は、はっとして上体を元の姿勢に戻す。
「あっ……決して瑛一さんを責めているわけではありませんよ!」
「少し思ってるでしょう、僕が玉響を身請けしてあげればよかったのにって」
瑛一に含みのある瞳で見上げながら言われ、睡はぎくりとして口をつぐむ。