純潔花嫁―無垢な新妻は冷徹社長に一生分の愛を刻まれる―
睡は目を見開き、瞬時にひらめく。あれは四葉の結婚式の衣装で、今日は婚約の報告をしようとしているのではないかと。
「もしかして、あれを四葉が着るの!?」
「違うよ。着るのは私じゃなくてあんた」
軽く笑い飛ばす彼女にぽんと肩を叩かれ、睡の口から「へっ?」と変な声が漏れた。
ぽかんとしていると時雨が隣に並び、意味ありげに口角を上げる。
「今日は白無垢を選びに来たんだ。着たかったんだろう?」
そのひとことに驚くと同時に、今日は自分のために用意された一日なのだと気づいた。しかしすぐには信じられず、睡は目を見開いたまま固まる。
「な、なんで……」
「確か入籍した日の夜、茨たちと話していたよな。あのときは遠慮しているようだったが、本当は着たいんじゃないかなって気がしたから」
あのとき電話していた時雨は、おそらく席に戻ってきた際に話が耳に入ったのだろう。はっきり白無垢が着たいと口にしたわけではなかったにもかかわらず見抜かれていたとは、どれだけ顔に出ていたのか。
時雨はくすっと笑って「睡は正直だから」と言う。恥ずかしくなって俯くも、口には出せなかった願望を察して実現させようとしてくれていることに感動して、胸が震えた。