この恋が手遅れになる前に

「俺ばっかり余裕なくて、奏美さんは大人で落ち込みます……」

「そんなことないよ」

思わず涼平くんから目を逸らす。
強引な行動に驚くことばかりだけど、嬉しくないかと言われたらそうでもない。

「奏美さん、好きです」

ストレートな気持ちを拒否できない。涼平くんに好かれて嫌じゃない。

目を合わせられないけれど私の顔も赤いことはバレている。
涼平くんの顔が耳元に近づく。

「大好きです」

甘く囁かれて耳も首筋もくすぐったい。
涼平くんの唇が耳たぶに触れて、そのまま啄むようにかじられ、唇は頬からどんどん私の唇に向かう。

「だめ……離れて……」

「もう一度奏美さんを抱きたいです」

「っ……」

抱かれることを望んでしまう自分がいて動揺する。章吾さんのことよりも涼平くんのことを考えることが多くなっていることは自覚している。こんなの涼平くんの思う壺だ。

でも章吾さんと別れたばかりですぐに涼平くんに乗り換えるようなことをしてもいいのだろうか。

「まだ……気持ちの整理がつかなくて……」

「それでも奏美さんを抱きたいんです。俺も健全な男子ですし」

涼平くんの吐息が頬をくすぐる。足がだんだん震えてくる。

「焦らせると増々戸惑うから……」

「一度しか寝てないのに彼氏面しちゃうような面倒な男なんですよ俺は。焦らせて、戸惑わせて、麻痺させてでも手に入れたい……」

この間まで女性経験がなかったなんて信じられないほどに私を惑わせる。
章吾さんにはここまで情熱的に求められたことがない。いつも私が甘えて求めていた。このまま涼平くんともっと肌を触れ合わせたい。もっとくっつきたい。

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