この恋が手遅れになる前に



何とか時間内にフラワーカーペットを完成させてシートを大通りまで運ぶことができた。
通りに面した別会社のビルの屋上を借りてフラワーカーペットを見下ろすと、各企業のロゴも涼平くんがデザインした絵もとてもきれいに花びらがまとまって素敵なカーペットになっている。
写真を撮ってくれる方がたくさん見えて嬉しくなる。SNSでシェアしてほしい。後でできる限りチェックしないと。

パレードが行われ、地元の高校の吹奏楽部とダンス部の発表を見学させてもらえた。それが終わるとカーペットと道路に置いた飾りのフラワータワーを回収しなければいけない。

「私が南の角をトラックまで運ぶから、加藤さんは西をよろしく。緑化の人にもそっちに向かってもらってるから、終わったらまた連絡してね」

「了解しました」

すっかり機嫌が戻ったのだろう加藤さんの愛らしい声を聞いて通話を終える。今年も無事に終わってよかったな。

南の道路に設置したフラワータワーの土台を解体してトラックに載せる。

まだ加藤さんから連絡ないな……。

こっちの方が数が多いのに、私が終わっても加藤さんから連絡がないのが不安になる。電話をかけても出ないので緑化の方の運転するトラックに乗せてもらい西道路に向かうと、角で加藤さんが二人の女性と話をしているようだ。

トラックから降りると加藤さんに近づいた。

「だから、戻してくださいって言ってますよね!?」

加藤さんの怒鳴り声に驚いた。目の前の年配の女性たちに怒鳴っているようだ。

「あら、いいじゃない。どうせ捨てるものなんでしょ?」

そう言い返す年配の女性の手には花が握られている。
< 68 / 94 >

この作品をシェア

pagetop