この恋が手遅れになる前に
「はっ……」
私の吐息が漏れてようやく唇が離れる。
「俺が酔いにくい体質だって知ってますよね? なのに加藤さんから引き離したんですか?」
「涼平くんを騙そうとするのが嫌だったの……」
「奏美さんを騙して抱いたことは許してくれます?」
「許さない……強引なところ、いつも私を困らせる……」
「でも嫌いじゃないでしょ? 俺を渡さないって堂々と言っちゃうくらいに」
答える代わりに今度は私からキスをする。それに照れたのか「俺が加藤さんとどうにかなるって焦った?」と耳元で意地悪く囁くから素直に頷く。すると「嬉しい……」と吐息が耳にかかってくすぐったい。
「言ったでしょ、俺は奏美さんにしか興味ないって」
耳たぶを優しく噛まれる。足に力が入らなくて涼平くんにしがみ付くと腰を強く抱きしめられる。
「奏美さん、俺のことを好きって言ってくれないと、このまま抱いてあげませんよ?」
「わ、私そんなつもりじゃ……」
「潤んだ目で俺の腕を掴んでおいてそんなつもりじゃないなんて、奏美さんは本当に酷い人ですね」
そう言うと首にキスをされる。
足に力が入らないのをいいことに涼平くんに支えられながら徐々に部屋の奥に移動していく。
「俺が政樹さんの部屋の鍵を持ってるって知って来たんじゃないんですか?」
「ちがっ……んっ……」
反論しようとすると顔に手を添えられてまた口を塞がれた。
「ちょうどよく布団も敷かれてますしね」
部屋の中には既にふかふかの布団が敷かれている。
「涼平くんって……この間まで童貞だったのが信じられないほど慣れてる……」
「何度も童貞って言わないでくれます?」
はだけた浴衣の裾から手を入れられ、太ももを撫でられる。