恋愛境界線
「もしかして、課長酔ってます?」
「君と一緒にしないでくれ。私は酒に呑まれたことはない」
やっぱり可愛くない。
「すっごく意外ですけど、課長にも嫌いな食べ物なんてあったんですね。逆に、好きな物って何ですか?」
「特別好きな物はないが、昔からそれとサーモンはどうも苦手なんだ」
「へぇ。私の場合は、レーズンと玉ねぎが苦手だったりしますけど」
それに対して、「女性でレーズンが苦手だなんて珍しいな」と、偏見まじりの返答がくる。
珍しくどうでもいいことで会話のキャッチボールが続いて、お酒も進んで、気付けばテーブルの上のお皿に載っていた物が、綺麗に課長と私の胃の中に収まっていた。
「さて、そろそろ寝るとするかな」
「そうですね。準備は課長がしてくれたんで、片付けは私がしておきます」