恋愛境界線
だけど、このままここでただ悔しがっていても、どうにかなるわけじゃない。
今は一刻も早く、また一から新しいデザインを考え直さないと。
他社のパクトケースがプリントされた用紙をくしゃくしゃに丸めながら自分を奮い立たせ、急いで会議室を出る。
自分のデスクに戻ると、若宮課長は私の斜め向かいの席にいる浅見先輩と話をしているところで。
「パクト用のケースはそのデザイン案で行こうと思うので、細部を明後日までにもう少し練り直して欲しい」
そう指示する声が聞こえて来た。
当初、デザイン案はいくつか候補があって、今先輩が持っているデザイン画もその中の一つだった物だ。
浅見先輩と話し終えた課長が、再び室内から出て行くのを見て、その背中を追いかける。
「課長、待って下さい!さっきの、どういうことですか?」
フロアに出て、先輩に見えない所で課長に問い質した。
「蓮井さんのデザイン案が使えない以上、代わりのデザイン案が必要だと判らないのか、君は」