恋愛境界線
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「支倉さんでも、こういう定食屋さんに来たりするんですね」


お冷と一緒に出されたおしぼりで手を拭きながら、店内を見渡す。


古びた――とまではいかないものの、いかにも定食屋らしい雰囲気の店内は、お世辞にもオシャレとは言い難い。


「和食も好きだからちょくちょく来たいんだけど、さすがに一人じゃ入りづらくて」


確かに、お昼時の店内に一人で食べているOLの姿は皆無な上、席を埋めている殆どがサラリーマンだ。


カフェやパスタ屋さんなら、女性が一人でも浮くことはないだろうけれど、しかも、支倉さんの容姿が容姿なだけに、ここで一人で食べていたら相当浮くだろうな、と思った。


注文したメニューが届くまでは、そんな当たり障りのない会話をしていたけれど、お互いに頼んだ物がテーブルに並び、それに箸を付けたところで、支倉さんが緊張した面持ちで口を開いた。


「あの、ね、芹沢さん。その……芹沢さんと若宮くんって、どういう関係か訊いても良い……かな?」



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