恋愛境界線
「私たちもお先に」と、私を残して立ち上がった三人に、チャーハンを頬張りながら片手を振ってみせると、立ち去りかけていた三人はなぜかその場で足を止め、一人が少しだけ高めのトーンで声を発した。
「あっ、若宮さん!」
ぶほっ!!!と、今度は口からご飯粒が飛び散る。
「今からランチですかぁ?私たちはもう済ませたので、良かったらこちらへどうぞ。席、空いてますよ?」
あんな会話を耳にした後で、どんな顔をすれば良いわけ!?
皆が一緒ならまだしも、私一人になった状態で相席とか、本当に勘弁して欲しいんですけど……!
しかも、若宮課長に対しては、一昨日の件で未だに気まずさが残っているっていうのに。
飛ばしてしまったご飯粒を急いで片付けながら、他の席に行ってくれることを密かに願ったものの、三席空いているスペースに目を留めた若宮課長は「有難う」と言って、私のいるテーブルへとやって来た。