恋愛境界線
そっか。返さなくて良いのか。ラッキー!
これで今日は帰りにコンビニで500円分使い放題だ!――とか、無邪気に喜ぶとでも思っているのだろうか。
「あのぉ、課長。結構だとか言われても、私だって結構なんですけれども……?」
「厚かましいくせして、なぜ遠慮をするんだ君は。内心ではラッキーとか思ってるだろうに」
ほらほらほら!やっぱり私が『返さなくて良いのか。ラッキー!』と思ってると思ってるし!
「厚かましいとか、ちょっとあんまりじゃないですか?」
「財布を忘れてきた人間に、現金じゃなくてクオカードを貸すのはケチだと言った君は、十分に厚かましいだろう」
「その言い方は語弊があると思いますけど!?」
「今の言い方のどこに語弊があると?」と、課長が豚肉を一口。
「そう感じた部分があるのであれば、具体的にどこを指しているのか教えてくれないか」
この人、今日はフェスティバルでも催してるのだろうか。嫌味フェスティバル開催中みたいな。