恋愛境界線


その日の帰り、スーパーに立ち寄った。


職場と渚のマンションの中間あたりに位置するこのスーパーは、取り扱っている食品の種類も多くて、品質も良い。


その分、値段は若干高めだけど、輸入品も豊富に揃っているから眺めているだけでも楽しくて、食材を購入したい時はつい訪れてしまう。


今日は財布を届けてくれたお礼に、渚にご飯を作ってあげようという目的があって寄ったわけだけど。


私が作れる数少ない料理の中から、渚の好きなハンバーグをメインに決めて、添え物やスープのことも考えながら、必要な材料をかごの中に入れて行く。


前以て知らせもせずに、今日は私がご飯を作ってあげると言ったら、渚はきっと驚くはず。


渚の反応を想像したら、何だか妙に楽しくなってきた。


にまにましながらレジに並んでいると、ふいに肩をポンッと叩かれ、振り返れば、「やっぱり芹沢さんだった」と、その人物に笑顔を向けられた。


「──支倉さん。お疲れさまです」



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