恋愛境界線
今日こなさなければいけない仕事を思い浮かべ、そのまま頭の中で優先順位を立てて行く。
全てが予定通りには行かないとしても、優先順位を考えて自分でここまでは必ずする、と目標を立てれば効率も上がる。
当たり前のことかもしれないけれど、言われたことだけをその都度こなしていた私にとって、これは社会人として成長したことの証で。
若宮課長の下で働く様になってから、自分で身に付けたことでもある。
だから、苦しい思いもしたけれど、若宮課長と出会えたことは、私にとってはやっぱりプラスでしかない。
PCに向かったり、忙しく社内を走り回って雑事をこなしている内に、あっと言う間に時刻はお昼の12時を回った。
余り食欲がないのと、一人で過ごしたい気持ちもあって、今日は誰も誘わずに一人で外に出た。
会社近くのコーヒーショップでカフェラテだけ買って、近くの広場まで移動し、そこにあったベンチに腰を下ろす。
ゆっくりと甘い液体を一口飲み込んで、思わず空を仰ぐ。
天気が良くて太陽の眩しさに目を細めると、横から苦笑じみた微かな笑い声が聞こえた。