恋愛境界線
「ところで芹沢君、今日の予定は?何かある?」
クロゼットを開けて、着替える服を選んでいる課長の背中を見ながら、「私は特にないですけど?」と答えると、私の視線を感じたのか、課長がふいに振り向いた。
「それなら、朝食を食べて少ししたら出掛けよう」
「出掛けるって、どこにですか?」
「決まってるじゃないか。早く君に布団を買い与えないと」
毎晩ベッドに侵入されるかと思うと、落ち着いて眠れやしない、と言いながら再び私に背を向けた。
昨日は私が侵入しても気付かずに眠ってたくせに、よく言う。
こっちだって、誰が好き好んで毎晩課長と一つのベッドに寝るもんですか。
「ところで君は、人の寝顔だけじゃなく、着替えまで見るつもりなのか?」
そう言われた時には、課長は既にパジャマ代わりのシャツを脱ごうをしているところで。
「わーっ!ストップ!ちょっと待って!!それ以上は脱がないで下さい!!」と、慌てて課長の寝室から逃げ出した。