恋愛境界線

「あんな風に請け負ったものの、もしまた不採用になった時のことを考えると……。どうしよう、純ちゃん……っ!」


てか、それ以前に、会社に無断で勝手にあんなことを言ってしまって、変に肩入れするのは問題になるのでは……?


「どうするも何も、こうなったらやるしかないんじゃない?」


そう言いながらスプーンとフォークを並べ始めた純ちゃんに、私はテーブルの上からそっと腕を退ける。


「そんなこと言ったって、私、デザインのことなんて何にも判んない素人なんだよ?」


「そんなに難しく構えずに、遥が普段何気なく口にしてる様なことを伝えれば良いんじゃない?自分だったらこんな感じのデザインが好きだとか、こんな感じの色が良いなぁとか、よく言ってるじゃない」


今回の件にしたって、自分だったらこんな感じのが欲しいなぁって思うのを、そのまま伝えてみれば良いと思うよ。


そう言って、純ちゃんはキッチンからアボカドとトマトの冷製パスタを運んできた。


「こっちは、ブロッコリーとエビのアボカドサラダだ!」


目の前に並べられた見るからに美味しそうな料理たちに、つい先ほどまでデザイン案の件で消え去っていた食欲が一気に復活する。


「ワイン飲む?」の問い掛けにも、迷わず「飲む、飲む!」と元気に答えた。


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