恋愛境界線
「泊まっていこっかな。彼氏さん帰ってきたら、また当分純ちゃんに相手してもらえなさそうだし」
「そんなことないよ。私にとっては遥も彼も、どっちも同じくらい大切なんだからね?」
優しく真摯な表情でそう言ってくれた純ちゃんに、嬉しさと照れ臭さを感じてしまう。
だって、それが口先だけの言葉じゃないってことは、私が一番よく知っている。
「あーぁ、私が男だったら良かったのに。純ちゃんは綺麗だし優しいし、料理上手だし、絶対に彼氏に立候補したのになー」
テレビの正面に置かれたローテーブルとソファ。
隣り合って座っていた純ちゃんの肩に、甘える様にコツンと頭を載せる。
私にとって純ちゃんは、癒しの存在だ。
さすがに、『食事中に行儀が悪いよ』って注意されるかと思ったけれど、よしよしと赤ちゃんみたいに撫でられた。
「自分が男だったらとか、遥は優しいね……。なのに、私、ごめんね。火事があった時、力になれなくて」
「ううん。そのことなら、何とかなったから気にしないで」