恋愛境界線
それより飲もう!とグラスと取ると、純ちゃんは自分のグラスと私のグラスにワインを注ぎ足した。
「ところで、遥ってば、今どこに住んでるの?」
口に含んだワインを思わず吹き出しそうになり、慌てて無理やり飲み込むと、鼻にワインの香りが突き刺さった。
「っけほ、……どこって、友達の所、だけど?」
「そうなんだ?昨日、渚から電話が来たんだけど、遥のマンションの火事のこと、知ったばかりだったらしくて」
「あー…、うん。そう言われれば、渚にはまだ言ってないや」
「知ってすぐに、遥に電話したみたいだけど出なかったから、うちに居るかと思って私に電話してきたみたい」
確かに、渚から昨日電話が掛かってきてたけど、ちょうど若宮課長と一緒だったから無視してそのまま忘れてた……。
「私はてっきり、遥は渚の所に行ったと思って安心してたんだけど」
「渚はお節介っていうか、人のことに干渉し過ぎるから、一緒に暮らしたら息が詰まりそうで……」
不満を言葉にすれば、純ちゃんは「それだけ遥のことが心配なんでしょ」と笑った。