恋愛境界線

純ちゃんは、「で、友達って誰の所?」と追及してくることもない。


だけど、これが渚だったら絶対にしてくる。私が白状するまで、しつこく訊いてくるに決まってる。


しかも、うちの親とも親しいだけに、若宮課長の所に泊まってるなんて知れたら、絶対に親にまで報告しそうだし。


勿論、純粋に私のことを心配してくれてるってことは判るのだけれど。


正義感の強い渚は、幼い頃からいつもそうだ。心配して、時には心配の先回りをして、私が本格的に困る前に手を差し伸べてくれた。


昔はその好意を素直に受け止めていられたのだけれど、この歳になるとそれも鬱陶しいというか……余計なお世話というか……。


「渚、未だに心配してるだろうから、ちゃんと連絡してあげなよ?」


「……ふぁーい」


火事のことだけじゃなく、純ちゃん家でお世話になっていないことまで知られたとなっては、このまま隠していたとしても、バレるのは時間の問題かもしれない。


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