姉のカレシの、闇に溺れて



「でも、大半の人間はクズを表に出さないようにしてるし。だからこそ、クズの部分を見せた人間は、因果を買うし、やったらやり返されるんだと思います。……あくまで俺の意見ですけど」



 チクチクと、時計の針だけが聞こえる。
 南瀬くんから出た言葉の次に、誰も吐く者はいなくて、また、静けさだけが増す。


「だから、お姉さん、俺達もこの瞬間だけはクズになりましょ。ユウイチさんにたくさん暴言吐きましょ!! ”ふっざけんな! この、ドロボー! 自分中心で世界回ってると思うなよ、こんのドアホ!!!”」


「…………ッ。”ユウくん、”イケない”って言ってたけど、私も本当は痛かった!! この、絶倫、ちろう!!!”」


「お姉さん、”ちろう”は言いすぎ。もしかしたらユウイチさん遅漏すぎて気にしてるかもしれないし……もしかしたらそういう病気かも」


「…………………あ、そっか。ごめんね、ユウくん。病院行った方がイイよ」


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