姉のカレシの、闇に溺れて



 今まで姉への罪悪感で頭の中いっぱいだった。


 悠一さんのことを思い出したくなくて、紛らわしたくて南瀬くんが部活がない時、一緒に登校したりした。


 だけどもし、万が一。
 できてしまったら……


 考えるだけ吐きそうだった。


 南瀬くんと恋愛ができたらイイな、なんて考えてる場合じゃない……



「お姉ちゃん、次いつ悠一さんと会うの?」



 さりげなく、『お姉ちゃんのことが心配だから、悠一さんと直接話したい』と嘘を吐く。


 何も知らない姉は、嘘吐きな私に涙ながらに感謝をし、自分の手帳を開いた。


「大学始まって、すぐ一緒の授業になるよ」


「じゃあ、その時悠一さんと話したい。できれば二人で話したいんだけどイイかな??」


「うん。分かった。紗和のお願いならユウくんも“ムリ”だとは言わないと思うし、大丈夫だよ!」




 
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