姉のカレシの、闇に溺れて



 仮に『悠一さん以外ともヤりました』と言ったら、この人は『デキてたらソイツの子かもしれないだろ』とでも言い放つつもりだろうか。



 今後のことを考えたら、私とは関わりたくないはず。他の男に抱かれてしまった私は用無しで、お姉ちゃんとも別れてくれるかもしれない。



 でも、『ヤッてません』と正直に言ってしまえばどうなるんだろう………



 どっちを答えるのが正解なんだろう。



 想像の中の悠一さんを、最低最悪のクズに仕立て上げ、何を言われてもいいように心の準備をする。



 そして、一つの答えが出た。


「……………ヤッた」


 他の男と体を重ねたことを知って、お姉ちゃんとも別れてほしいと思った。


「…………避妊は?」


「してない」


「………まあ、とりあえず食って。外出てから考えよ」


 外出てから? 私はここでこの話を終わらせたかったのに……



 黙々とご飯を食べ、悠一さんは『ちょっと待ってて』と、レジでお会計を済ませ、私の手を引いて店内を出た。


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