廓の華


 自分が呼ばれた経緯を察した彼は、驚いて軽く頬を染めた。

 言動から真っ直ぐで真面目な印象を持っていたが、この手の話題が苦手らしい。


「別に、俺は女に興味がないわけではありません。ただ、生涯愛すると決めた人以外を抱く気がないだけです」

「独り身のくせになに言ってんだ。金なら貸してやるから、一晩くらい牡丹に相手をしてもらったらどうだ」

「な……、なにを」


 動揺がわかりやすい。冗談をよく言う縹さんに上手いこと乗せられて、からかわれている。

 本当に真面目で素直な性格のようだ。

 つい、こちらもからかいたくなってしまう。


「お相手が私だと不満?」

「えっ、い、いや。そういう意味では。牡丹さんは、自分には手が届かない高嶺の花ですよ」

「ふふ。嬉しいことを言ってくれるね。お世辞はいいわよ」

「まさか、冗談ではありません。俺は、初めて見た貴方の花魁道中が忘れられないんですから」


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