廓の華

 私は、蘇芳さんから聞いた久遠さまの生活についてとても興味があった。普段は町でなにをしているのか。よく地方に行くが、どんな仕事をしているのか。

 深入りしないと決めていたが、つい好奇心に負けて尋ねる。


「あの、久遠さまは屋敷に雇われているお侍さまなんですよね? 会えない間のひと月半、どんなお仕事をしていたんですか?」


 ぴたりと、盃を口に運ぶ手が止まった。

 色気のある流し目が私をとらえる。感情の読めない微笑が浮かんだ。


「どうしてそんな質問を?」

「単純に気になってしまって。久遠さまのことを知りたくなったんです」


 これは、彼に恋情を抱いてしまったからなのか。初めて会ったときよりも、彼について知りたいと思う気持ちが強くなっている。

 自分を多く語らない彼に、もっと近づきたい。他の誰も知らない秘密を打ち明けてほしい。

 少しだけでいいから、心を開いて。


「わかった。牡丹の知りたいこと、全部話してやる」

「本当ですか」

「うん。君が、俺との賭けに勝ったらな」


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