吐息



けどーー。

「はは、また真咲さんの言うこと聞いてんの? クソ真面目だね。俺が担当の日は、気にしなくて良いから。練習は……したことにしとく」

彼はそう言って屈託のない顔で笑った。

この暗闇に似合わない笑顔。

でも、彼には、なぜだかとてもよく似合う。


「……はぃ」

「ってなわけで、お疲れ様。タクシー呼んであげる」

スマホを操作しようとする彼を制するように、私は声をあげた。


< 19 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop