吐息
自宅までは、徒歩15分。
タクシーに乗れば早いけど、わざわざ呼ぶほどでもない。
それに、この冬の冷たい空気が好き。
12月半ばの夜は、どこか張り詰めた緊張感みたいなものがある。
シャワーを浴びたあとのまだ温もりのある身体が、キュッと締まって心地よかった。
あぁ、飛鳥さん、今日も格好良かったな。
また新しいスーツだった。新調したのかな……。
彼と身体を重ねたのは、真咲さんに拾われた日、私の『初めて』をもらってくれたあの日だけ。