Fw: R-17〜もう一度、人生をやり直したいですか?〜
「梨沙! おっはよ〜!」
教室に入るなり見覚えのある顔に声を掛けられて、うわぁー! と嬉しさが滲む。
小学校から一緒で、大人になってからはあまり会う時間がなくなってしまった親友の中村美香だ。
5、6年ぶりだろうか。
大人になって少し落ち着いた彼女より、派手なメイクの“昔の”美香に会えて妙にテンションが上がる。
美香に返事をしながら教室をゆっくりと見回して、懐かしい顔ぶれに更にテンションが上がっていく。
佐伯に田中に奈々にスーちゃんまで……!
仲が良かった同級生を見つけては、嬉しさで思わず笑ってしまいたくなる。
20歳の時に一度だけ高校の同窓会に行った記憶はあるけれど、その時からしても12年ぶりだ。懐かし過ぎて自然と口元がにやけてしまう。
だけど教室の入り口からみんなの所に行こうとして、ハッと気付いて青褪めた。
……私、15年前の自分の席なんて覚えてない……!
ピシリと固まる私の顔を背後から覗き込みながら、赤星が小声で話しかけて来た。
「……まさか、自分の机が分からないとか?」
さすが赤星っ。
今日の私のおかしな様子ですぐにピンと来たのか、何も答えない私の顔をジーッと見つめた後、
「俺の席の左斜め後ろ」
と、ボソリと呟くように言ってから私より先に席に向かってくれた。