Fw: R-17〜もう一度、人生をやり直したいですか?〜
言っている内容はなんとも穏やかではないのに、智政自身が何でもないことの様に平然として言うので驚いて彼を見る。
「え……、浅倉君は、それで平気なの?」
すると私の問いに、智政はふと小さく笑った。
「んー、どうだろうな。平気って訳ではないんだろうけど、離れていくんだったらしょうがねぇかなって思うタイプなんだよね、俺」
そう智政はどこか遠くを見る様に目を細めて言った。
───ああ、やっぱり、と思う。
私が知っている智政だ。
彼は昔も今も、変わってはいない。
来るもの拒まずとまではいかなくても、智政は去る者は絶対に追わないタイプだ。
昔からこうなのか、と少しホッとしている自分に驚いていると、智政が私の方を見てニッと笑った。
「ま、別れるつもりはねぇけどな」
───ガツンッ、と殴られた様な衝撃が全身に走る。
一瞬何を言われたのか理解できなくて、何度も智政のセリフが脳内に響く。
咄嗟に反応が取れなくて、慌てて口角を上げて笑顔を作った。
……なに、狼狽えてんの、私。
私は“これ”を、智政に言って欲しかったはず。
そうしたら私の未来はきっと変わる。だからこそ言わないなら、言わせようとすら思ってここまで来たはずなのに──。
それなのに、心がザワリと騒ぎ出す。
──……じゃあ、“私”は───?
私とは9年も一緒に居たのに、なんであんなに簡単に裏切る事が出来たの……?
今、彼を問い詰めたところでどうしようも無い思いが溢れそうになる。