Fw: R-17〜もう一度、人生をやり直したいですか?〜
実家……に帰るのは、全てが終わってからにしよう。
まだもう少しこの土地で、今は仕事を頑張りたい。
宿泊アプリで今からでもチェックイン出来るホテルを探していると、職場の近くで27時までチェックイン出来るホテルが見つかったのでタクシーを捕まえる。
深夜である今からが本番だとでもいう様に、煌めくネオンの灯りが今の私には眩しくて、タクシーの窓際に身体を傾けるとそのままゆっくりと目を閉じた。
***
メールの着信音でハッと目を覚ます。
いつの間に眠ってしまったのか、まだ会社帰りのスーツのままベッドに横になっている事に気付いて、自分自身に大きな溜息を吐いた。
チラリと見たベッドに備え付けのデジダル時計は、午前3時過ぎを表示していて、ホテルに着いてからまだそんなに経っていないのが分かる。
スーツがシワになるのが嫌で、渋々身体を起こしてホテルのクローゼットへと上着を掛けると、テーブルに置いたスマホが通知を知らせるランプをチカチカとさせているのが目に留まった。
───こんな時間に?
一瞬、夫の顔が浮かんだが、すぐにその想像をかき消す。そんなはずはない。彼はあれだけ泥酔していたのだ。こんな時間に目覚めるわけがない。
一瞬でも、夫かもしれないと思った自分に嫌気がさした。