【コミカライズ】皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―
「――なら教えてよ、ルイナード。あなたは、何を隠してるの?」
これを、合図に、蛇口のように言葉が溢れてくる。
「ここに来たばかりの頃は、あなたを憎んで、恨んでそれしか見えなかった。でも、一緒に過ごしていればわかるわよ。
どう見てもあなたがお父さまを、恨んでいるようには見えないし、本当に気に食わない相手のお墓なんて訪れないし、ロルシエ家の使用人をここに置いたりだってしないでしょう。
国や民を慈しみ、私にだって変わらぬ優しさを見せるあなたが、本当にそんなことするかしら。私は⋯⋯あなたがそんな人だと思えないと思った」
しだいにルイナードしか見えなくなっていた私は、だんまりする彼の足元で膝をつき、詰め寄っていた。
極度の緊張から肩を上下させていると、なだめるように、大きな手が私の髪を幾度も流す。
「――つまり、アイリスは⋯⋯何が知りたい?」
優しげな声色に期待して、躊躇わずに結論を口にした。
「⋯⋯お願いだから、事件の夜のことを、ちゃんと私に教えて。私にも知る権利はあるはずよ」
ついに言ってしまった。
バクバクと鼓動を弾ませていると、ルイナードの瞳が一度瞼の下に隠れる