【コミカライズ】皇帝陛下、今宵あなたを殺害いたします―復讐するのに溺愛しないでください―
おかしな提案から始まった、皇城での妙な共同生活。
はじめは嫌で嫌で仕方なかったけれど。ルイナードはいつも、広い心で私を受け止めてくれた。
嫌悪的な態度も。軽蔑するような眼差しも。刃を向けてしまったときでさえも。何も言わずに、いつだって暖かく包み込んでくれた。
命令口調で、偉そうで、何を考えているのかわからない。けれど。全く変わっていない。あの頃の優しいルイナードのまんまだ。
そんな、彼みたいな優しい人が、お父さまを手に掛けるはず⋯⋯ない。
祈るような気持ちで、彼の唇が動くのを待っていると
「――アイリス」
やがて、澄んだ瞳がゆっくりと姿を現す。
その表情は、とても優しげで柔らかくて。私の胸は瞬時に期待でいっぱいとなる。
そうよ。やっぱり、なにかの間違い――
「⋯⋯何度聞いても答えは変わらない」
え⋯⋯? 耳を疑った。
「俺がジャドレを殺した。お前の仇であることには変わらない」