秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない

 数日後。

「恵麻、待って。髪を乾かさないと」

 お風呂から上がった私は、服を着るなりバスルームから飛び出していってしまった恵麻を追いかけ、リビングに飛び込む。

 今日は早く帰ってきて晩御飯も一緒に取ったあと、ソファーに座ってひと休みしていた相良さんが、私たちの様子に気がついてソファーから降りた。

 彼は床にしゃがみ込み、両手を大きく広げて走ってきた恵麻を受け止める。

「捕まえた」

 弾んだ調子の相良さんに抱き留められ、恵麻は「きゃあっ」と嬉しそうな声を上げていた。

「騒がしくしてすみません。ありがとうございます」

 追いついた私が言うと、相良さんはそのまま恵麻を抱き上げ、私が持っていたドライヤーを奪う。
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