秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
「……お願いします」

 緊張して正座姿の私が言うと、笑い声の彼から「了解」と返事が返ってきた。恵麻も私のそばに座り、私たちを見ながらニコニコしている。

 ゴーッという機械音とともに、熱い風が私の髪を舞い上がらせた。彼の手が私の髪をすいている感覚に、鼓動が高鳴る。

「熱くない?」

 耳もとで尋ねられ、思わずドキッとした。

「は、はい。大丈夫です」

 私が肩をすくめ答えると、相良さんの顔が離れていく気配がする。

 この音で聞こえないからあたり前だよね。そう思うのに、意識すると先ほど彼の吐息を感じた耳が一気に熱を帯びていくのがわかった。

 ひたすら思慕の情が高まっていく。
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