秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
「さぁ、次はこの先にある経理部へ案内するから」
そう言い終えたところで、うしろから追いかけてきた男性が栗林さんを呼び留める。私たちが振り返ると、男性は慌てている様子で、資料らしきものを手にその場で話し出した。
私は邪魔にならないようにと栗林さんの一歩うしろに下がって待つ。すると、まもなく栗林さんが勢いよくこちらを向いた。
「花里さん、ごめんなさい。急ぎで対応しないといけない案件ができたから、ここからのルートは先にひとりで回っていてくれる?」
手渡された会社の案内図を受け取った私は、「大丈夫なので、早くいってください」と告げる。
栗林さんは心苦しそうに「終わり次第すぐに戻るから」と言いながら、男性とともに来た道を早足で戻っていった。
そのうしろ影を見届けてから、先ほど受け取った案内図に目をやる。
この先に経理部があるって言っていたから……。
ルートを再確認していると、私は話し声が近づいてくるのを耳にしておもむろに顔を上げた。
進行方向から向かってくるのはふたりの男性だった。
そう言い終えたところで、うしろから追いかけてきた男性が栗林さんを呼び留める。私たちが振り返ると、男性は慌てている様子で、資料らしきものを手にその場で話し出した。
私は邪魔にならないようにと栗林さんの一歩うしろに下がって待つ。すると、まもなく栗林さんが勢いよくこちらを向いた。
「花里さん、ごめんなさい。急ぎで対応しないといけない案件ができたから、ここからのルートは先にひとりで回っていてくれる?」
手渡された会社の案内図を受け取った私は、「大丈夫なので、早くいってください」と告げる。
栗林さんは心苦しそうに「終わり次第すぐに戻るから」と言いながら、男性とともに来た道を早足で戻っていった。
そのうしろ影を見届けてから、先ほど受け取った案内図に目をやる。
この先に経理部があるって言っていたから……。
ルートを再確認していると、私は話し声が近づいてくるのを耳にしておもむろに顔を上げた。
進行方向から向かってくるのはふたりの男性だった。