秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
「すごく楽しかった」

 相良さんは、恵麻を起こさないよう静かに告げる。私は、彼の背中の上でぐっすりと眠っている恵麻に視線を送った。

「私もです。恵麻も、こんなになるまではしゃいでいました。全部、相良さんのおかげです。ありがとうございました」

 たくさんの動物を見て、園内の動物の装飾がかわいいレストランでお昼ご飯を食べた。ペンギンにお魚をあげられる【ペンギンのおやつタイム】や、モルモットやひよこなどに触れられる【てのひらふれあいタイム】にも参加することができ、恵麻は一日中とても幸せそうに笑っていた。

 あんなに楽しそうな顔は初めて見たかもしれない。

 恵麻の芯から幸福そうな笑顔を思い起こし、私も思わず顔を綻ばせる。

 相良さんのマンションがもう視界の先に見えたところで、突然相良さんが足を止めた。

 驚いた私の口から、白い吐息が漏れる。
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