秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
 私たちがこのままこのマンションで生活すると決まり、部屋の模様替えも行われた。

 今はゲストルームだった部屋が正式に私と恵麻の部屋になり、寝室はもともと大和さんが使っていたところを三人で使っている。

 あとは大和さんの自室と、もうひとつ部屋に空きがあるらしくそこを私の部屋にしようと大和さんに提案されたが、丁重にお断りした。

 今のところで恵麻とふたりでも十分広いし、大和さんには言わなかったけれど、いつか家族が増えて必要になるときがくるかもしれないと、私は心の中で密かに考えていた。

 眉を開いた大和さんも、私の隣に腰を下ろす。私は大和さんに寄り添い、彼の肩に頭を乗せた。

 ゆっくりと大和さんの体温が伝わってきて、心が安らぐ。

「母のこと、本当にありがとうございました」

 私はそのままの体勢で改めて言った。ソファーの上に置いていた私の手を、大和さんが取る。
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