秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
 互いのお父様が古い友人同士で、家も近いこともあり、よく一緒に過ごしたという三人。

 大和さんと泉さんは歳も同じで小中高の同級生らしいから、結びつきも強く、心を許している存在なのだろう。

 きっと、子供の頃からこんなふうに同じ時間を過ごしてきたのかな。そう思うと、少し羨ましかった。

「天音さん?」

 つい顔を綻ばせていた私に、泉さんが声をかける。

「すみません。楽しくて」

 私が答えると、泉さんがなにかを堪えるように顔をゆがめて唇を震わせていた。そして、突然高ぶった声を上げる。

「かわいい! 大和と天音さんが結婚したら、天音さんが義理のお姉さんになるのよね」

「歳は泉のほうが五個も上だけどな」

「大和」

 一喝する泉さんに、大和さんが仕返しと言わんばかりに片方の口角だけを吊り上げる。

 その様が子供のようでおかしかった。
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