秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
「君たちさえよければ、次の家が見つかるまでここで暮らさないか?」

 ――えっ?

 私は血潮が逆流する思いだった。

「どうしてそんな……」

 結婚しているというのは私の誤解だった。だからといって相良さんがなぜここまで親身になってくれようとするのか理由がわからなかった。

 本当に言いふらされる可能性を考えて、いや、あの夜私を置いていった罪悪感からなのかな。

 あんな過去があって自分でも馬鹿だと思うけれど、やはり相良さんの優しさが不純なものから生まれているとはどうしても思えなかった。

 でも、だとしたらなんだというのだろう。

「さっきも言ったけど、俺は君たちの力になりたいんだ。それが理由じゃダメかな」

 彼は柔らかく、穏やかな面持ちで言う。
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