秘密の子育てだったのに、極上御曹司の溺愛から逃れられない
「渡しておくよ。ここの家の鍵とカード。食材や必要なものはこのカードで買ってほしい。鍵はあとで使いかたを教えるから」

 そう言って渡されたそれらを、こわごわと受け取る。

 本当にこんな大切なものを預かってしまっていいのかな。

「同じところへ行くんだからこれから朝は乗っていけばいいし、今日は帰りも一緒に帰ろう。今日なら俺も早く帰れそうだから」

「でも……」

「さぁ、そろそろ食べて行かないと。途中で桜介も拾わないといけないからな」

「おうすけ?」

 聞き慣れない名前の登場に、恵麻がきょとんとつぶやいた。

「相良さんの甥っ子さん。あ、えっと、甥っ子っていうのはお兄ちゃんや弟の子供のことで、桜介くんは五歳の男の子だよ。恵麻と同じ保育所だから、ママたちみたいに毎朝相良さんと一緒に行ってるんだって」

「そうなんだ!」

 私の説明に、恵麻は「ひとがいっぱい。たのしみだね」とさらに機嫌を良くしていた。
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