初恋交響楽
「お帰りなさい」

大国くんは戻ってきたわたしを迎えてくれた。

わたしは腰を下ろすと、
「わたし…」
と、話を切り出した。

「自分なりにいろいろと考えたんだけど…」

「うん」

「大国くんと結婚してもいいかなって…」

そう言うと、チラリと彼の反応をうかがった。

「えっ…!?」

大国くんは驚いたと言う顔をしてわたしを見つめていた。

「実は…わたしも、大国くんのことが好きだったの…」

わたしはうまく言えただろうか?

大国くんは手を口に当てて目を伏せた。

頬はほんのりと紅く染まっている。

これは…うまく言えたんだと解釈していいだろう。

まあ、うまく言えたも何も本当のことを言ったようなものなんだけど。

「不束者ではありますが、よろしくお願いします」

ペコリと頭を下げたわたしに、
「絶対に、西尾さんのことを幸せにする」

大国くんは返事をした。
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