初恋交響楽
その日の放課後、クラス委員に選ばれたわたしたちは早速仕事ーーと言う名の雑用ーーをすることになった。

3部あるプリントを1つにまとめてホチキスで留めると言う何とも地味な作業を、教室で大国くんと一緒にやっていた。

先生もこれくらいのことくらい自分でやればいいのに…と、心の中でぼやきながらパチパチとホチキスを動かしていた。

教室にいるのは、わたしと大国くんの2人だけだ。

初めて同じクラスになったうえに、相手が男子だから何をしゃべればいいのかわからない。

と言うか、先生も先生で人使いが荒いなあ!

パチパチとホチキスを動かしていたら、
「あっ、切れちゃった…」

針がなくなってしまった。

「はい」

大国くんがホチキスの針が入っている箱を差し出してきた。
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