初恋交響楽
まだ帰ってなかったんだ…。

と言うか、何でわたしは隠れたんだ?

隠れる必要なんてないじゃないかと思いながら、そこから出ようとした時だった。

「西尾はないかな〜!」

大国くんが言った。

「えっ…?」

何が?

何が"西尾はないかな〜!”なの?

「まあ、そうだよなー」

「そうだと思ってたよ!」

大国くん以外の声も聞こえたので、わたしは彼が誰かと話をしていることに気づいた。

だから、何が?

わたし、もしかしなくても悪口を言われた?

「じゃあ、そう言うことだから」

「おう、またな!」

パタパタと、足音が走り去った音が聞こえた。

その後で大国くんの背中が視界に入ったけれど、わたしはその場から動くことができなかった。
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