素直になりたい。
――ドンッ!


スイッチに手を伸ばしたら、壁から大きな音がした。

ま、まさか...


「逃げるなよ」


嘘でしょ?

ここまで追いかけて来たの?


「逃げてません。ってか、どっか行ってください。私、あなたに用ないんで」

「俺が用あるんだけど。俺のこと追っかけて来たのかどうかについて明確な返事が得られてない」

「あなたのこと追っかけてくるはずないでしょ?どんだけ自意識過剰なの?いい加減にして」


離れようとすると、今度はがっしりと腕を掴まれた。

つ、強い...。

なんか、痺れてくるんですけど。

小学生だったあの頃よりずっと、怖い。


「何?離して」

「ハムはさ、とことん嘘つきだな」

「どこが?」


私の言葉にくすくすと笑い出す櫻庭。

するとちょうどステンドグラスの窓から光が差し込み、彼を照らした。

あぁ、良く見える。

私の嫌いなあの顔が...。

そんな楽しそうに笑わないで。

そんな嬉しそうにしないで。

なんか、こんなに拒絶してる私がバカみたいじゃん。
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