i -アイ-
見えているように暁の方に顔を向けて。
……不気味だ。
同じ人間には、思えない。
「気分悪いな。榊の人間はこれだから嫌いなんだ。」
「リオ、話を進めてもよろしいでしょうか」
眼鏡の長髪の男。
「仕方ないなぁ」
赤髪は、リオと言うらしい。
「ありがとうございます」
スキンヘッドは40代、眼鏡は30代と言ったところ。
「榊様、橘様、碓氷様、桜庭様、佐伯様、初めまして。南偉織(みなみいおり)と申します」
隣の三國さんの緊張感が増す。
幹城よりも、やばい人なんだな。
「今回は、是非久遠藍人様ともお話したかったのですが、久遠藍人様が、いいえ、i がいるとお話が難しくなる可能性がありましたので、排除させて頂きました。」
こいつらの指示か。
「怒るな怒るな。俺らも出来るなら穏便に話し合いで決めたいんだがな? 未成年が関わると i は俺らを潰す勢いで動き出すんだよ。そんな俺らも若くないからなぁ」
これが、i が普段の姿を公に見せてこなかった理由か。
普段の姿を見せると警戒する対象が、周りを取り巻く人間全員になる。
「ふん、佐伯の坊ちゃんは威勢がいいな?良い目だァ」
スキンヘッドが俺を見る。