i -アイ-
「えっ、女装喫茶って、書いてあるけど」
入口に来てやっと気づく男2人。
「せーの」
高い声でそう叫んでから
「男性2名様入りまーす」
蓮が珍しく腹から声を出す。
あたしが男二人の背中をトンッと押して
「ま、楽しんでってよ」
低めの声でそう言って、男たちがこちらを振り返った時、目の笑わない笑顔を向けてあげた。
「は、あ?男!?」
「ちょっとぉ、今日は女の子なのぉ」
「ぶははっ、藍人お前似合いすぎ」
「だろ」
滝谷が笑いながらその2人を連れていく。
あたしと蓮は女の子二人のところへ座る。
「おふたりって、本当に男の子なんですよね?」
「うん。そうだよ」
「凄く綺麗です」
キラキラした目で見てくれる。
「本当?君たちの方が何倍も綺麗だよ」
頬杖を着いてそう呟けば、2人とも顔を赤くする。
「ふふ、照れちゃって、可愛いね」
「藍人」
「カレン、あたしはイトですー」
「カレン、さんもすっごく可愛いです」
女の子たちが今度は蓮を見る。
するとムスッとした顔で腕を組む。
「ごめんね?これでも照れてるの」
「照れてねえ」
まあ、女装姿でこんだけあたしに付き合ってくれたんだ。
これ以上求める気にはならないけどさ。