i -アイ-
槙野先生と色んな話をして、
「すみません、図書館に友達待たせてるんで行きますね」
「あ、そうだったね!ああ、藍ちゃん目赤くなってる。どうしよう」
「本当ですか?まあ、大丈夫ですよ。はぐらかすの上手いんで」
「あはは、そっか。俺、金曜日はここにいるから、気が向いたらここに来て?」
「はい。ありがとうございます」
あたしは美術室をあとにして、図書館へ向かった。
「……榛人の、娘ちゃん、かぁ。ふふ、亮はどうするのかなぁ」
先生の呟きには、気づかずに。
____
テストが終わって、成績上位者の名前が貼り出される。
《 1学年
1位 1-A 久遠藍人 1200/1200 》
「お前、答え知ってたろ」
「うん。勉強したからね」
「そーいうことじゃねえ。」
滝谷がイライラしてるけど、滝谷も200人以上いる中で50位以内には入ってる。
「秀才枠で入ってるのに、首席降りるのは申し訳ないでしょ」
それにしても、
「蓮、お前頭いいじゃん」
《2位 1-A 佐伯蓮 1179/1200 》
「満点のやつに言われたくねえよ。しかも、司さんに教えて貰っといて低い点数取れねえだろ」
「ふふ、お前って真面目だよね」