青春の花は素顔に咲く

「誰も、子供に間違ってつらい思いをさせたくないんだよぉ。だから、守るために縛ってしまうんだよねぇ。でもそれが子供には苦痛だったり窮屈だったりする。加減が難しくて困るねぇ」
「あたし、は……」
「芽以ちゃん?」

 何か言おうとしたあたしは口を紡ぐ。
 自分でもびっくりして、続ける言葉がわからなくて。

(何を、言おうとしたの? あたし)

「……ううん、なんでもないよ。おばあちゃん」
「とにかく、芽以ちゃんは芽以ちゃんでいいの。おばあちゃん、今の芽以ちゃんが大好きだよぉ」
「ありがとう。おばあちゃん」
「今日はお友達とお出かけするのかい」
「うん。勉強会。図書館で」
「がんばっておいで」
「うん頑張るよ。ありがとう」

(そう、白銀を待たせてるんだから急がないと。図書館に行かないと)

 時間は有限なんだから。
 待たせてる間に白銀ならたくさんのことができる。

 あたしとは時間の濃さが違う。

「いってきます」
「はい、いってらっしゃい」

 おばあちゃんにそう言ってあたしは駆け出した。
 太陽がまぶしくて、ギラギラしていた。
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