青春の花は素顔に咲く
*
階段を上る足取りが、すごく重くて。
時間が異常に長く感じられた。
理事長室に白銀が入っていくのすら、スローモーションに見えた
来ないでほしかった。でも来てくれてうれしかった。そんな二つの気持ちが交差してく。馬鹿みたいだけど、それは事実で。
「あなたが白銀カケルくんね!?」
「……はい、オレが白銀カケルです」
白銀につかみかからんばかりににじり寄るお母さんを見て、止めること
もできないあたし。白銀は冷静に冷静に頭を下げて答える。
「私の芽以に骨折までさせて! なんなの!」
「すみません、オレが悪いんです」
「そうよ! 貴方が芽以に勉強教えさせるから……! こんな格好までさせて……何様なの!?」
「本当に、申し訳なく思ってます」
「じゃあ、やめてよ! こんなことしないで頂戴!」
「それは……」
(いやだ。あたしは白銀に勉強を教えたい)
離れ離れなんかなりたくない。
何を言われても、嫌だ。
なのに、それを口にできないあたしがいて。
情けない。
階段を上る足取りが、すごく重くて。
時間が異常に長く感じられた。
理事長室に白銀が入っていくのすら、スローモーションに見えた
来ないでほしかった。でも来てくれてうれしかった。そんな二つの気持ちが交差してく。馬鹿みたいだけど、それは事実で。
「あなたが白銀カケルくんね!?」
「……はい、オレが白銀カケルです」
白銀につかみかからんばかりににじり寄るお母さんを見て、止めること
もできないあたし。白銀は冷静に冷静に頭を下げて答える。
「私の芽以に骨折までさせて! なんなの!」
「すみません、オレが悪いんです」
「そうよ! 貴方が芽以に勉強教えさせるから……! こんな格好までさせて……何様なの!?」
「本当に、申し訳なく思ってます」
「じゃあ、やめてよ! こんなことしないで頂戴!」
「それは……」
(いやだ。あたしは白銀に勉強を教えたい)
離れ離れなんかなりたくない。
何を言われても、嫌だ。
なのに、それを口にできないあたしがいて。
情けない。