青春の花は素顔に咲く

 理事長だって心配そうにあたしと白銀を交互に見てる。
 お母さんの顔は怒りで赤くなっている。赤鬼のようだ。

 涼しいはずの理事長室で、あたしは汗をかいた。

 生暖かい汗がだらだらと流れて気持ち悪い。
 グラリ、と視界が揺れて。

「黒野!?」
「芽以!?」
「……大丈夫。めまいがしただけ」
「貴方が無理させてばかりだからよ、白銀君っ」
「……本当にすみません。芽以さんにはお世話になりっぱなしで、申し訳ないとは思います」
「あら、わかってるじゃない」
「かかわるなというのなら、もうかかりません」
「ふんっ、当然よ、ねぇ? 芽以」
「……あたしはっ」
(言え、あたしっ)
「あたしはぁ」
「大丈夫、わかってるから。芽以。つらかったわね? ほら。帰りましょう?」
「ちがっ」
「芽以は内気な子だから……大丈夫よ。お母さんは芽以の味方だから」

(違う、違うのお母さん。違うのに……)

「っ……」

 涙がぽろぽろと零れ落ちてくる。
 あたしはその場にしゃがみこんだ。
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