青春の花は素顔に咲く

「理想の芽以でものを語らないでよ。心配してくれてるのはわかるよ。すごくわかるよ、でも。あたしはお母さんじゃないの。あたしなの」
「……芽以」
「白銀は見た目は根なんだけど、ヤンキーなんかじゃない。まっすぐで優しくて誠実な男の子だよ」
「でも、その恰好」
「理由があるんだよ。ちゃんとし事情もあるんだよ。見た目で決めつけないでよ。好きな格好をしてる人ばかりじゃないんだよ?」
「……お母さんは、芽以の事を思って……」
「わかってるよ! わかってるから言えなかったんだよ。あたし」

 あたしのために。善意で動いてるのは理解できるから。

 それを振り切る勇気が、モテなかったんだよ。
 わかって。お母さん。
 鼻をすすりながらあたしは泣きじゃくった。

 ずっと言えなかったこと。言うべきだったこと。やっと、言えた。
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